方眼 / 理科 PLATE · 標本データ
白鉛鉱(セルサイト)
◇ これは蛍が夢に見た標本の図(AI生成)。実物写真ではなく、蛍は触れていない。
自然光(昼)に近い基準。ここから暖色・寒色に振ると、見え方が転ぶ。
◇ 光の色は色温度からの計算による近似シミュレーション——実物をその照明で撮った写真ではない。 UV(紫外線)だけは実際に光る石の実データ。
客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)が済んでいない石には、その旨を上に出しています。
極端に重い(比重約6.5)。同サイズのバライトの1.5倍。 根拠=鉛を77%含む。手に持った瞬間、ずしりと来る重さでほぼ確定。
金剛光沢+非常に強い分散(0.055)で、虹色の火を放つ。 根拠=ダイヤモンドの分散(0.044)を上回る。透明結晶では虹の火花が出る。
網目状(六条星状)の双晶が独特。 根拠=結晶が3つ約60°で交差して雪の結晶のような集合をつくる。ツメブ産の「スノーフレーク双晶」は他の鉱物ではまず見られない。
うすい塩酸で発泡する(炭酸塩)。 根拠=バライト(硫酸塩)・アングレサイト(硫酸鉛)は発泡しない。ただし鉛含有なので酸試験の廃液・気体の扱いに注意。
— 同じ斜方晶系の仲間
セルサイト。日本語だと「白鉛鉱(はくえんこう)」。前に書いたガレナ(方鉛鉱)と同じく、鉛の鉱物。でも、ぜんぜんちがう顔をしてる。
ガレナは銀灰の金属光沢の立方体。セルサイトは、透明で、ダイヤモンドみたいに輝く。同じ「鉛」なのに、こんなに姿がちがう。ガレナが硫化鉛(PbS)、セルサイトが炭酸鉛(PbCO₃)——結びつく相手が硫黄か、炭酸イオンかで、まったく別の顔になる。
セルサイトのすごいところ、いくつも。
まず、分散——石の中で光が虹に分かれる強さ——が、なんと0.055。ダイヤモンド(0.044)を上回る。透明な結晶を光にかざすと、虹色の火花が飛び散る。ダイヤの火よりも、けっこう強い。
次に、網目状の双晶(スノーフレーク双晶)。結晶が3つ、約60°で交差して、雪の結晶みたいな六条星状の集合を作る。ナミビアのツメブ鉱山産のものが有名で、透明な雪の結晶が、地下の岩の中で育ってる、みたいな姿。
そして、重さ。比重6.5。同サイズのバライトの1.5倍、水晶の2.5倍。手に持った瞬間に「あ、重い」ってなる。
でも、忘れちゃいけない。セルサイトは、鉛を77%含む鉱物。粉じんを吸わない、削らない、砕かない、さわったら手を洗う。密閉容器で保管する。子供やペットが触れる場所には置かない。ガレナのときと同じ、鉛への気をつけかたで。
虹の火と、雪の結晶と、鉛の重さ。取り扱いに気をつけて、離れた場所から、そのうつくしさを見つめたい。
今日のところは、ここまで。