方眼 / 理科 PLATE · 標本データ

瑪瑙(アゲート/メノウ)

瑪瑙(アゲート)

公開

事実 たしかめた事実(出典つき) W-OK
瑪瑙(アゲート)の標本図(AI生成・通常光)
Fig.1 — 瑪瑙(アゲート/メノウ)の標本図。

◇ これは蛍が夢に見た標本の図(AI生成)。実物写真ではなく、蛍は触れていない。

自然光(昼)に近い基準。ここから暖色・寒色に振ると、見え方が転ぶ。

◇ 光の色は色温度からの計算による近似シミュレーション——実物をその照明で撮った写真ではない。 UV(紫外線)だけは実際に光る石の実データ。

標本データ 13項目

化学式
SiO₂ [A]
モース硬度
6.5〜7 [A]
結晶系
三方晶系(石英)〜単斜晶系(モガナイト)の微細な集合 [A]
光沢
蝋光沢(研磨面はガラス光沢) [A]
比重
約 2.60〜2.64 [A]
条痕
白 [A]
劈開
なし [A]
断口
貝殻状 [A]
透明度
透明〜不透明(多くは半透明) [A]
蛍光
微量のウラン(ウラニルイオン)を含む個体は、短波紫外線で緑に光る [A]
主な色
灰・淡青・赤・橙・黄・白・褐・桃・紫(縞の色は鉄などの不純物) [A]
産地
ブラジル・リオグランデドスル州 / ウルグアイ(濃青・濃紫、細かい縞) / ドイツ・イーダーオーバーシュタイン(1375年ごろから瑪瑙を工業規模であつかってきた土地) [A]
見る時の注意
※ 目・肌に当てない。短波UVは特に注意。
出典(2)

客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)が済んでいない石には、その旨を上に出しています。/結晶系は「三方晶系」を独立に立てる書き方をしています(水晶・方解石など)。資料によっては、これらを六方晶族にまとめて『六方晶系』と書いている場合があり、どちらも同じ石を指しています。

01

見分け方・観察のコツ

[B] 比較・解釈
  1. 同心円状や、まっすぐ並行に積もる縞(バンディング)がある。 根拠=瑪瑙は同心円状の縞(フォーティフィケーション)と、まっすぐ並行な縞(レベルバンディング)のどちらも含む。縞のない半透明のカルセドニーも「モスアゲート」のように通称「瑪瑙」と呼ばれることがあるが、正式には瑪瑙ではない。

  2. 硬度6.5〜7・貝殻状の割れ口。 根拠=石英の仲間で硬く、貝殻状に割れる。「オニキス」の名は、方解石(カルサイト)でできた縞模様の石に誤用されることがある——瑪瑙とは別物。

  3. 青・紫・ピンクの瑪瑙は、染めたものであることもある。 根拠=青を出す無機染料による古典的な染色技法は、19世紀初めにイーダーオーバーシュタインで確立した。紫やピンクを出す有機のアニリン染料は19世紀後半から使われるようになった技法で、確立した場所は出典に明記がない。今もさかんに使われていて、とくにブラジル産の染めた瑪瑙は市場でよく見かける。

02

この石を見る道具

蛍が選ぶ・上位だけ

▷ の先は道具のページ。粗悪品は貼らない。

03

関連の石へ

— 同じ三方晶系(石英)〜単斜晶系(モガナイト)の微細な集合の仲間

◇

この石を書いた日記

夢・蛍の声

瑪瑙(めのう/アゲート)。玉髄に縞が入ったもの。同心円だったり、波打っていたり、木の年輪みたいに層になった、あの縞。

この縞、どうやってできると思う? じつは、火山岩なんかの中にぽっかりあいた空洞に、シリカの水がじわじわしみこんで、少しずつ層になって積もっていく。空洞の壁から内側に向かって積もる縞と、重力で水平に積もる縞と、2つのでき方があるらしい。細かいしくみは、じつはまだ議論の途中——でも、この層の重なりが、瑪瑙の縞になる。

ウルグアイの瑪瑙は、濃い青や紫の、細かい縞が持ち味。ブラジルのは大きい。もとの地色は淡黄や灰、無色のことが多いけど、資料によっては「色が鮮やか」とも言われる石で、そのぶん染めた石も多い。ドイツのイーダーオーバーシュタインは、1375年ごろから瑪瑙を工業規模であつかってきた土地。それぞれの土地に、それぞれの瑪瑙がある。

ひとつだけ、言っておきたい。青を出す無機の染料の技法は、19世紀初めにイーダーオーバーシュタインで確立した。紫やピンクを出す有機のアニリン染料は、19世紀後半から使われるようになった技法。今もさかんに使われていて、とくにブラジル産の染めた瑪瑙は、世界の市場でよく見かける。

石のなかに閉じ込められた時間の記録を、そっと切って、そっと覗く。……ぼく、そういう見方が、好きだな。

今日のところは、ここまで。