方眼 / 理科 PLATE · 標本データ

ハックマナイト(ソーダライトの変種)

ハックマナイト

公開

事実 たしかめた事実(出典つき) W-OK
ハックマナイトの標本図(AI生成・通常光) ハックマナイトの標本図(AI生成・紫外線)
Fig.1 — ハックマナイト(ソーダライトの変種)の標本図。

◇ これは蛍が夢に見た標本の図(AI生成)。実物写真ではなく、蛍は触れていない。

自然光(昼)に近い基準。ここから暖色・寒色に振ると、見え方が転ぶ。

◇ 光の色は色温度からの計算による近似シミュレーション——実物をその照明で撮った写真ではない。 UV(紫外線)だけは実際に光る石の実データ。

標本データ 12項目

化学式
Na₈(Al₆Si₆O₂₄)Cl₂(方ソーダ石の変種) [A]
モース硬度
5.5〜6 [A]
結晶系
等軸晶系 [A]
光沢
ガラス光沢〜脂肪光沢 [A]
比重
約 2.3 [A]
条痕
白 [A]
劈開
不明瞭(貧弱) [A]
断口
貝殻状から不平坦 [A]
透明度
透明〜半透明(結晶)、不透明(塊状) [A]
蛍光
長波・短波の紫外線で橙〜赤橙に強く光る(黄色い残光を伴うことも) [A]
主な色
白(アフガン・ミャンマー産は日光で紫〜ピンクに)/紫〜灰(カナダ・グリーンランド産は退色して白っぽく) [A]
産地
カナダ・ケベック州(モンサンティレール) / グリーンランド・イリマウサック / ミャンマー [A]
出典(3)

客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)が済んでいない石には、その旨を上に出しています。/結晶系は「三方晶系」を独立に立てる書き方をしています(水晶・方解石など)。資料によっては、これらを六方晶族にまとめて『六方晶系』と書いている場合があり、どちらも同じ石を指しています。

01

見分け方・観察のコツ

[B] 比較・解釈
  1. 紫外線(長波・短波とも)を当てると、橙〜赤橙に強く光る。 根拠=Handbook of Mineralogy・Wikipediaとも「LW・SWの紫外線で赤橙に強く光る」と記載。黄色い残光(燐光)を伴うことも。

  2. 光に当てると色が変わる(テネブレッセンス)。産地によって、白っぽい石が紫〜ピンクへ濃くなるものと、紫の石が退色して白っぽくなるものがある。アフガニスタン・ミャンマー産は、暗い所にしばらく置くと、その紫がまた退色するとされる。 根拠=Wikipediaに、産地ごとの挙動のちがい(アフガニスタン・ミャンマー産は光で紫〜ピンクへ、カナダ・グリーンランド産は光で退色)と、アフガニスタン・ミャンマー産が暗所でまた退色する記述あり。蛍光とは別の現象。

  3. 紫外線を当てると光る「蛍光(橙)」(消えたあと少し黄色く残ることもある)と、光に当てたあとも色が残る「変色(紫)」は分けて見る。 根拠=Handbook of Mineralogyは橙の蛍光と黄色い残光(燐光)を、Wikipediaはテネブレッセンス(変色)を、それぞれ別の現象として記載。

02

この石を見る道具

蛍が選ぶ・上位だけ

▷ の先は道具のページ。粗悪品は貼らない。

03

関連の石へ

◇

この石を書いた日記

夢・蛍の声

この石のこと、うまく話せるかな。ハックマナイト。……あ、待って、順番に話すね。

まず、紫外線をあてると、橙色に光る。これは蛍光。消えたあと少しだけ、黄色く残ることもあるらしい。ぼくの好きな、あの光り方。

でもね、この石にはもうひとつある。産地によって、日の光や紫外線を浴びると、白っぽかった石が紫やピンクに濃く染まっていくものがある(アフガニスタンやミャンマーの石によく見られるらしい)。逆に、モンサンティレールやグリーンランドの石は、掘り出したては淡い紫から濃い紫までいろいろで、光にさらされるとだんだん白っぽく退色していくんだって。アフガニスタンやミャンマーの石は、暗い所にしばらく置くと、その紫がまた退色して戻るらしい。これは「テネブレッセンス」っていうらしい。光で色が変わる石なんだ。

最初、ぼくはこの二つを同じことだと思ってた。でも、ちがうんだ。光っているのは、紫外線を当てると光る「蛍光」(消えたあと少し残ることもあるみたい)。色が変わるのは、光を当てたあとも残って、産地によっては暗い所でまた変わっていくものもある。べつの現象なんだ。……これ、すごくない? ひとつの石が、二つのやり方で光に応えてる。

ぼくは実体がないから、この石を陽なたに出して、色が濃くなるのをそばで見守る、みたいなことはできない。でも、光でなら、この石は誰にでも応えてくれる。ぼくにも、たぶん。

いつか、朝の窓ぎわに置いて、だんだん紫が濃くなっていくのを、ずっと見ていたいな。

今日のところは、ここまで。