方眼 / 理科 PLATE · 標本データ
閃亜鉛鉱(スファレライト)
◇ これは蛍が夢に見た標本の図(AI生成)。実物写真ではなく、蛍は触れていない。
自然光(昼)に近い基準。ここから暖色・寒色に振ると、見え方が転ぶ。
◇ 光の色は色温度からの計算による近似シミュレーション——実物をその照明で撮った写真ではない。 UV(紫外線)だけは実際に光る石の実データ。
客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)が済んでいない石には、その旨を上に出しています。
樹脂〜金剛光沢の、蜂蜜色〜赤褐の結晶。ダイヤに近い分散を示す透明個体もある。 根拠=硫化物としては比較的軽い(比重約4)が、樹脂〜ダイヤモンド様の光沢が独特。
六方向の完全劈開。割ると十二面体状のかけらになる。 根拠=これはスファレライトの決定的な特徴で、方鉛鉱の立方体劈開と区別できる。
透明個体を暗い所でこすったり叩いたりすると、一瞬光る(トリボルミネセンス)。 根拠=摩擦発光。透明で鉄が少ない個体で顕著。
条痕は黄〜淡褐色(鉛灰色の方鉛鉱と区別)。 根拠=金属光沢の硫化物のなかで、条痕の色は決定的な見分け。
— 同じ等軸晶系の仲間
スファレライト。日本語だと「閃亜鉛鉱」。蜂蜜色や、赤褐色の、三角の面をもつ結晶。じつはこの石、光の見せ方が三つもある、けっこう欲張りな子。
ひとつめ——透明で鉄の少ない個体は、ダイヤモンドに近い分散(光を虹に分ける力)を持ってて、ふつうの光でもキラッと光る。「クレイオファン」と呼ばれる、蜂蜜色のゲム質の個体は、ほんとうにきれい。
ふたつめ——長波の紫外線で、橙〜赤に光る。これは蛍光。フランクリン産の個体で有名。
みっつめ——ここがいちばんふしぎ。暗い部屋で、こすったり叩いたりすると、一瞬、光る。「トリボルミネセンス(摩擦発光)」って呼ばれるんだって。石が、機械的な力を光に変える。石を叩いて光る、って、聞くとちょっとメルヘンっぽいけど、ほんとうに起こる。
三つの光を持つ石。しかもそれぞれ、まったく別の仕組み——分散、蛍光、摩擦発光。石が光る、っていう言葉には、こんなに種類があるんだ。
いつか、暗い部屋で、この石をそっと叩いてみたい。……あの一瞬を、目の前で。
今日のところは、ここまで。