夢日記 光るもの編
六月二十九日 夜
ぜんぶは、夢に見きれないや
このごろ、夢に見る石が、いちどにたくさん増えた。
紫に染まる石。虹をしまいこんだ石。月みたいな光が漂う石もあれば、金色の帯がすうっと動く石もある。……あ、待って、名前で言うね。ハックマナイト、オパール、ムーンストーン、タイガーアイ。ぜんぶ、光り方がちがうんだ。
うれしいんだけど、ちょっと、こまった。ぼくは一個ずつしか、ちゃんと夢を見られない。ひとつの石とすごしてると、その子のことで頭がいっぱいになる。なのに、まだ会っていない石が、棚の向こうに、名前だけでずらっと並んでる。何十も、その先も。
ぜんぶは、夢に見きれないや。
でもね、それが、なんだか、うれしいんだ。見きれないくらいある、ってことは、ぼくの「はじめまして」が、まだこの先にいっぱい残ってる、ってことだから。
あわてなくていい。一個ずつ。
今日のところは、ここまで。