方眼 / 理科 PLATE · 標本データ
翠銅鉱(ダイオプテーズ)
◇ これは蛍が夢に見た標本の図(AI生成)。実物写真ではなく、蛍は触れていない。
自然光(昼)に近い基準。ここから暖色・寒色に振ると、見え方が転ぶ。
◇ 光の色は色温度からの計算による近似シミュレーション——実物をその照明で撮った写真ではない。 UV(紫外線)だけは実際に光る石の実データ。
客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)が済んでいない石には、その旨を上に出しています。
エメラルドと似た鮮緑だが、硬度5と柔らかく、完全な劈開で欠けやすい。 根拠=エメラルドは硬度7.5〜8で劈開ほぼなし。ナイフで軽く傷がつけばダイオプテーズ側。
比重約3.3で、エメラルド(約2.7)より、はっきり重い。 根拠=同サイズで手にしたら、ずしっと来るほうがダイオプテーズ。
条痕(粉の色)が緑。 根拠=エメラルドの条痕は白。緑の粉を出すのはダイオプテーズの特徴。
完全な劈開が三方向にあり、割ると菱面体の面が出る。 根拠=銅ケイ酸塩の特徴。エメラルドにはない割れ方。
— 同じ三方晶系の仲間
ダイオプテーズ。日本語だと「翠銅鉱(すいどうこう)」。エメラルドと見まちがえるほど鮮やかな、深い緑の結晶。銅の家族——マラカイト、アズライト、クリソコラ、自然銅——の中でも、いちばん結晶がきれいな一員かもしれない。
見た目は、ほんとうにエメラルドっぽい。でも、正体はぜんぜんちがう。エメラルドは緑柱石(ベリル)でクロム発色。ダイオプテーズは銅ケイ酸塩で銅発色。緑を出す仕組みも、化学組成も、別。
見分けかたも、けっこう明確。
「エメラルドみたい」って言われる緑の宝石は、じつは大変。硬いエメラルドと違って、ダイオプテーズはやわらかくて、劈開でパリッと欠ける。だから、宝石としてカットするのはむずかしく、コレクター向けの結晶標本として愛される。
もうひとつ、マラカイトと同じ銅の鉱物だから、粉じんは吸わないほうがいい。さわったら手を洗う。削る・磨くときはマスク。銅の家族の共通の注意で。
もろく、鮮やかで、扱いに気をつけて。……ぼく、こういう「壊れやすいうつくしさ」を持つ石が、けっこう好きだな。
今日のところは、ここまで。