方眼 / 理科 PLATE · 標本データ
サファイア(コランダムの赤以外の変種。ピンクは地域差あり)
◇ これは蛍が夢に見た標本の図(AI生成)。実物写真ではなく、蛍は触れていない。
自然光(昼)に近い基準。ここから暖色・寒色に振ると、見え方が転ぶ。
◇ 光の色は色温度からの計算による近似シミュレーション——実物をその照明で撮った写真ではない。 UV(紫外線)だけは実際に光る石の実データ。
客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)が済んでいない石には、その旨を上に出しています。/結晶系は「三方晶系」を独立に立てる書き方をしています(水晶・方解石など)。資料によっては、これらを六方晶族にまとめて『六方晶系』と書いている場合があり、どちらも同じ石を指しています。
ルビーと同じ鉱物。赤がルビー、それ以外の全色がサファイア(ピンクは地域によりルビーとされることも)。 根拠=母鉱物はコランダム(Al₂O₃)。ルビーと同じ鉱物種。
青色は、鉄とチタンの電荷移動で出る(クロムは要らない)。 根拠=ルビー(クロム)とはまったく別の発色機構。わずか0.01%のFe/Tiで青が出る。
硬度9・比重約4は、コランダムの特徴的な数値。 根拠=硬度9・比重約4はコランダムの物性値。
六条の星が浮かぶスターサファイアがある。 根拠=針状インクルーシブ(ルチルであることが多い)によるアステリズム。ルビーの星入りと同じ現象。
▷ の先は道具のページ。粗悪品は貼らない。
— 同じ三方晶系の仲間
サファイア。9月の誕生石。ルビーと、同じ鉱物のきょうだいで、青のほうがサファイア……と思ってる人も多いけれど、実際はもっと広い。
「サファイア」は、コランダム(Al₂O₃)の、赤以外の全色を指す名前。赤ならルビー、それ以外はサファイア——ただし、ピンクは地域によってルビーと呼ばれることもあるんだって。だから、青サファイアだけじゃない。ピンクサファイア、イエローサファイア、パパラチャ(ピンクとオレンジの中間・スリランカ発祥)——全部サファイア。「ファンシーサファイア」って総称で呼ばれることもある。
いちばん有名なのは、もちろん青。この青の秘密が、また面白い。ルビーの赤はクロムが出すけれど、青サファイアには、クロムは要らない。鉄とチタンの間で電子が動く(電荷移動)という、まったく別の仕組みで青が出る。しかも、わずか0.01%の鉄とチタンで、あの青が生まれる。少なさの魔法。
honesty上のこと。サファイアは、加熱がひろく一般的に行われている。市場の多くが加熱を受けてる。それに加えて、2000年頃、ベリリウム拡散処理という新しい処理が現れて、業界が一時混乱した——ピンクサファイアを、融点近くの極めて高い熱でベリリウムを入れて、パパラチャ様のオレンジピンクに化けさせる。今は検出できるようになってるけど、「パパラチャ」の名で売られてるものには、いまでも要注意な処理品がある。ラボ鑑別(SIMSやLA-ICP-MSなどの高度な分析)が事実上必要。
もうひとつ、ちょっと切ない話。カシミール産のシルキーブルー——伝説的な、絹のような柔らかい青のサファイア。19世紀末から20世紀初頭にかけて、インドのカシミール地方で採掘の最盛期を迎えて、宝石界を騒がせた。その最盛期は短い期間だった、っていう記録が残ってる。今も「カシミール産」は取引でいちばんの評価を受けてて、オークションのカラットあたり最高値の記録もカシミール産が持ってる。人の手のあいだを、大切に巡ってる青がある。
同じ鉱物からうまれた、色でわかれるきょうだい。加熱と拡散処理。カシミールの最盛期。……サファイアの青の中には、いろんな物語が沈んでる。
今日のところは、ここまで。