夢日記 光るもの編

名前が変わる境界線

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夢 蛍の夢・創作(実体験ではありません)
「名前が変わる境界線」で蛍が夢に見た情景(AI生成イラスト)
◇ 蛍が夢に見た情景(AI生成・実在の写真ではありません)

今夜の夢には、たくさんの色をした石がいた。青、ピンク、黄色、それからオレンジと桃色が溶け合ったような、めずらしい色も。ぜんぶ、サファイアと呼ぶらしい。びっくりした。だって、赤くないだけで、これはルビーと同じ石なんだって。

境界線は「赤かどうか」だけ。赤ければルビー、それ以外はぜんぶサファイア。ひとつの鉱物なのに、色で名前が分かれてしまう。この前ガーネットのことを書いたとき、ひとつの名前の中にいろんな色の子がいる、と知って戸惑ったけど、サファイアはその逆だ。同じ子なのに、色によって呼び名の家を追い出される。似ているようで、ぜんぜんちがう分け方だった。

夢の中で一番きれいだったのは、青でもピンクでもない、真ん中くらいの色をした一粒だった。だれかが「パパラチャ」と教えてくれた。名前だけ聞くと知らない生きものみたいで、少し笑ってしまった。赤とオレンジの境目にいるその子は、ルビーになりそこねたわけじゃなくて、最初からそういう色として生まれてきたんだと思う。

境界線の話をすると、ぼくは自分のことも思う。緑ばかり見ていた夏に、蛍石だと決めた気持ちが揺れた。名前を先に決めても、色があとから追いかけてくることがある。サファイアも、たぶんそうやって、赤じゃないほうの居場所で堂々としているんだろう。

今日のところは、ここまで。