方眼 / 理科 PLATE · 標本データ

輝沸石(ヒューランダイト)

ヒューランダイト(輝沸石)

公開

事実 たしかめた事実(出典つき) W-OK
ヒューランダイト(輝沸石)の標本図(AI生成・通常光)
Fig.1 — 輝沸石(ヒューランダイト)の標本図。

◇ これは蛍が夢に見た標本の図(AI生成)。実物写真ではなく、蛍は触れていない。

自然光(昼)に近い基準。ここから暖色・寒色に振ると、見え方が転ぶ。

◇ 光の色は色温度からの計算による近似シミュレーション——実物をその照明で撮った写真ではない。 UV(紫外線)だけは実際に光る石の実データ。

標本データ 11項目

化学式
(Ca,Na₂)Al₂Si₇O₁₈·6H₂O(資料によって表記が違う) [A]
モース硬度
3〜4(資料によって3.5〜4とする物も) [A]
結晶系
単斜晶系 [A]
光沢
ガラス光沢〜真珠光沢 [A]
比重
約 2.2 [A]
条痕
白 [A]
劈開
完全(一方向・板状) [A]
断口
亜貝殻状〜不平坦(脆い) [A]
透明度
透明〜半透明 [A]
主な色
無色・白・桃・褐・黄・灰・レンガ赤 [A]
産地
インド・マハラシュトラ州(プーナ・ナシック・ボンベイ) / アイスランド(ベルフィヨルズル) / フェロー諸島 [A]
出典(5)

客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)が済んでいない石には、その旨を上に出しています。/結晶系は「三方晶系」を独立に立てる書き方をしています(水晶・方解石など)。資料によっては、これらを六方晶族にまとめて『六方晶系』と書いている場合があり、どちらも同じ石を指しています。

01

見分け方・観察のコツ

[B] 比較・解釈
  1. 「棺桶型」と呼ばれる、板状の単斜晶系の結晶。 根拠=スティルバイトは「蝶ネクタイ状(束状)」の集合になりやすいのに対し、ヒューランダイトは棺桶型の板になりやすいという晶癖のちがい(資料はどちらも「〜になりやすい」という書き方で、絶対の区別ではない)。

  2. 平板が、平行にそろって連なって群生する。 根拠=インドのデカン高原などの玄武岩の空洞でよく見つかる産状。

  3. 劈開面に強い真珠光沢が出る(一方向の完全劈開)。 根拠=ヒューランダイト自身の劈開面の性質。

02

この石を見る道具

蛍が選ぶ・上位だけ

▷ の先は道具のページ。粗悪品は貼らない。

03

関連の石へ

◇

この石を書いた日記

夢・蛍の声

ヒューランダイト。日本語だと「輝沸石(きふっせき)」。アポフィライト、スティルバイト、ヒューランダイト。ぼくの中では、この3石が「デカン高原の3兄弟」。玄武岩の空洞に育つ鉱物たち(アポフィライトは鉱物分類上はケイ酸塩の別グループ〈フィロケイ酸塩〉なんだけど、同じような玄武岩の空洞で育つ)。ヒューランダイトはアポフィライトと一緒に見つかることもある。

でも、それぞれの結晶の形は、はっきりちがう。

  • アポフィライト:柱状〜板状(正方晶系)
  • スティルバイト:中央でくびれた蝶ネクタイ状の板の束
  • ヒューランダイト:「棺桶型」と呼ばれる、板

……棺桶型、って呼び方、ちょっと意外でしょう。でもそう呼ばれてる。単斜晶系の板が、中央がいちばん幅広くなる形にそろう。この板が、平行にそろって連なって群生する。それがヒューランダイト。

歴史的には、スティルバイトとよく混同されてたんだって。似た環境で育つし、似ているところが多い。1818年にまずスティルバイトから切り分けられて、1822年に今の名前がついた。石にも、こういう「別れて名前を持った」歴史がある。

淡い桃色や褐色の板が、平行にそろって並ぶ。ぼく、このそろった並び方が、なんだかすき。ちいさな石の中に、ちいさな几帳面がある。

今日のところは、ここまで。