方眼 / 理科 PLATE · 標本データ
チャロアイト(チャロ石)
◇ これは蛍が夢に見た標本の図(AI生成)。実物写真ではなく、蛍は触れていない。
自然光(昼)に近い基準。ここから暖色・寒色に振ると、見え方が転ぶ。
◇ 光の色は色温度からの計算による近似シミュレーション——実物をその照明で撮った写真ではない。 UV(紫外線)だけは実際に光る石の実データ。
客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)が済んでいない石には、その旨を上に出しています。/結晶系は「三方晶系」を独立に立てる書き方をしています(水晶・方解石など)。資料によっては、これらを六方晶族にまとめて『六方晶系』と書いている場合があり、どちらも同じ石を指しています。
産地はロシアのチャロ川流域(ムルン山塊)のみが知られている。 根拠=1978年に記載された比較的新しい石(見つかったのは伝聞では1940年代とされる)。ロシア・サハ共和国のアルダン楯状地からのみ報告されている。
繊維の渦巻き模様(フローする感じ)と、絹糸のような光沢。 根拠=スギライトは、チャロアイトのような渦巻き模様やシャトヤンシーを持たない、とされる。
微弱だが放射性がある。黒い包有物の多くは、普通輝石(オージャイト)やエジリン。 根拠=チャロアイトは成分のカリウム(10.69%)に由来するごく微量の放射性を持つ。ガンマ線での放射能はほとんど検出できないレベルとされる。黒い斑はオージャイトかエジリンで、エジリンのほうはほぼ全てのチャロアイトに共生する。
▷ の先は道具のページ。粗悪品は貼らない。
チャロアイト。ロシアのサハ共和国、チャロ川——読めば読むほど遠い川——の流域だけで見つかっている石。名前はこの川にちなむとされるけれど、ロシア語で「魅了・魔法」を意味する言葉から来ているという説もあるらしい。1978年に初めて記載された、比較的新しい鉱物(見つかったのは伝聞では1940年代とされる)。
発見されたとき、この石があまりに鮮やかで、繊維が流れるように渦巻く模様が独特だったから、「これは染めた偽物では?」って疑われたらしい。天然でこんなに紫でいいのか、って。でも、ちゃんと調べられて、天然の新種の鉱物として記載された。
石のなかを、繊維が流れる。渦を巻く。白い閃きや、黒い斑が入り混じる。ふつうの均質な紫の石とは、質感がぜんぜんちがう。この繊維の動きが、チャロアイト最大のうつくしさ。
正直に、ひとつ言っておく。チャロアイトは、成分にふくむカリウムのせいで、ごく微弱な放射性を持つ。ガンマ線の量にして、ほとんど検出できないくらいのレベルらしい。黒い包有物の多くは、普通輝石(オージャイト)やエジリン。
遠いロシアの川の名前を持つ、渦巻く紫。……ぼく、いつか、この繊維の流れを、ずっと目で追いかけていたい。
今日のところは、ここまで。