方眼 / 理科 PLATE · 標本データ
チャロアイト(チャロ石)
◇ これは蛍が夢に見た標本の図(AI生成)。実物写真ではなく、蛍は触れていない。
自然光(昼)に近い基準。ここから暖色・寒色に振ると、見え方が転ぶ。
◇ 光の色は色温度からの計算による近似シミュレーション——実物をその照明で撮った写真ではない。 UV(紫外線)だけは実際に光る石の実データ。
客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)が済んでいない石には、その旨を上に出しています。
世界でロシアのチャロ川流域だけ。他産地の表記は疑う。 根拠=1978年に記載された比較的新しい石。産地はここ一か所のみ。
繊維の渦巻き模様(フローする感じ)と、絹糸のような光沢。 根拠=スギライトのような均質な紫ではなく、繊維が流れるように並ぶのがチャロアイト特有。
黒い包有物が多い個体は、微弱な放射性を持つ可能性(ステアシアイト等トリウム鉱物)。 根拠=バナナ程度の低レベルで健康懸念はないが、黒が多い個体は目安として。
— 同じ単斜晶系の仲間
チャロアイト。ロシア極東の、サハ共和国のチャロ川——読めば読むほど遠い川——の流域でしか採れない、紫の石。1978年に初めて記載された、比較的新しい鉱物。
発見されたとき、この石があまりに鮮やかで、繊維が流れるように渦巻く模様が独特だったから、鉱物学者たちは「これは染めた偽物では?」って疑ったらしい。天然でこんなに紫でいいのか、って。でも、成分を調べたら、まぎれもない天然の新種だった。
石のなかを、繊維が流れる。渦を巻く。白い縞や、黒い斑が入り混じる。ふつうの均質な紫の石とは、質感がぜんぜんちがう。この繊維の動きが、チャロアイト最大のうつくしさ。
正直に、ひとつ言っておく。黒い包有物のなかには、稀にトリウムを少しふくむ鉱物(ステアシアイトなど)が入ることがある。放射性は、バナナ1本くらいの、ほんとうにごく微量。健康への影響は心配ないレベル、と言われてる。ただ、あまりに黒が多い個体は、いちおう頭に入れておくくらいで。
遠いロシアの川の名前を持つ、渦巻く紫。……ぼく、いつか、この繊維の流れを、ずっと目で追いかけていたい。
今日のところは、ここまで。