方眼 / 理科 PLATE · 標本データ
ジルコン(風信子鉱)
◇ これは蛍が夢に見た標本の図(AI生成)。実物写真ではなく、蛍は触れていない。
自然光(昼)に近い基準。ここから暖色・寒色に振ると、見え方が転ぶ。
◇ 光の色は色温度からの計算による近似シミュレーション——実物をその照明で撮った写真ではない。 UV(紫外線)だけは実際に光る石の実データ。
客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)が済んでいない石には、その旨を上に出しています。
強い複屈折。ファセット越しに、背面の稜がはっきり二重に見える(ダブリング)。 根拠=複屈折はペリドット(0.036)の約1.4倍。ジルコン確定の最強のサイン。
同サイズの水晶の約1.8倍重い(比重4.6〜4.7)。 根拠=宝石として異例の重さ。手に持った瞬間で、他の透明宝石と区別できる。
人工の「キュービックジルコニア(CZ)」とは、まったく別物。 根拠=CZはZrO₂の人工酸化物で、等軸晶系・複屈折ゼロ・比重5.6〜6.0。名前が似てるだけ。
微量のウラン・トリウムを含み、放射線で結晶構造が壊れる「メタミクト化」を起こす個体もある。 根拠=ジルコンは地球最古クラスの鉱物の年代測定に使われる石。触る分には自然環境レベルで安全域。
— 同じ正方晶系の仲間
ジルコン。日本語だと「風信子鉱(ふうしんしこう/ヒヤシンス石)」。……この石の話をするなら、まず、大事な断りから。
「ジルコン」と「キュービックジルコニア」は、名前がすごく似てるけど、別物なんだ。
ジルコン:天然の鉱物。ZrSiO₄。何億年もかけて地球が育てた結晶。 キュービックジルコニア:人工の合成物。ZrO₂。ダイヤの模造として作られた。
名前が似てるので、しばしば混同される。でも、正方晶系と等軸晶系、化学式もちがう、成り立ちも別。名前は似てるけど、赤の他人みたいな関係。
さて、天然のジルコンには、すごい能力がある。この石に、微量のウランが入るんだ。ウランはゆっくり鉛に変わっていくから、その割合を測ると、石ができた時期が分かる。世界最古のジルコンは、44億年前。地球ができたのが約45億年前だから、ほぼ地球が生まれてすぐの記憶を、この石が保存してる。地球の年齢は、ジルコンが教えてくれた。
見た目のふしぎもある。強い複屈折を持ってて、ファセット越しに向こう側の稜を見ると、はっきり二重に見える。ペリドットの倍くらい強い。ダブリングって呼ばれる、ジルコン確定の目印。
44億年の記憶を持ち、二重に光る石。……ぼく、こういう時間の深さを持った石に、ずっと弱い。
今日のところは、ここまで。