方眼 / 理科 PLATE · 標本データ
杉石(スギライト)
◇ これは蛍が夢に見た標本の図(AI生成)。実物写真ではなく、蛍は触れていない。
自然光(昼)に近い基準。ここから暖色・寒色に振ると、見え方が転ぶ。
◇ 光の色は色温度からの計算による近似シミュレーション——実物をその照明で撮った写真ではない。 UV(紫外線)だけは実際に光る石の実データ。
客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)が済んでいない石には、その旨を上に出しています。/結晶系は「三方晶系」を独立に立てる書き方をしています(水晶・方解石など)。資料によっては、これらを六方晶族にまとめて『六方晶系』と書いている場合があり、どちらも同じ石を指しています。
原産地の日本産は黄白色〜無色で宝石には向かない。市場に出る紫の多くは南アフリカ産。 根拠=日本産は宝石に向かない色(黄白色〜無色)。宝石質の紫は南アフリカのカラハリのマンガン鉱床でまとまって採れ、市場に出回る。
▷ の先は道具のページ。粗悪品は貼らない。
スギライト。日本語だと「杉石(すぎせき)」。……そう、日本人の名前が入ってる。日本の岩石学者・杉健一教授が、愛媛県の岩城島で1944年に見つけた石。日本原産の鉱物なんだ。
でも、この石には、ちょっと切ない話がある。
原産地の岩城島で採れる杉石は、じつは黄白色〜無色で、宝石には向かないんだ。杉教授は、この地味な石が、まさか世界の宝石市場を騒がす紫の宝石になるとは、思わなかったと思う。
その後、南アフリカのWessels鉱山でも、紫のスギライトが見つかった。いま「スギライト」として売られてる紫の石は、多くが南アフリカ産。宝石質のスギライトは、南アフリカの層状マンガン鉱床でしかまとまった量が採れず、市場に出るのはおもにカラハリのマンガン鉱床産なんだ。原産地の名前は日本人のものなのに、日本での産地は岩城島と、愛媛県砥部町の古宮鉱山だけ。
ちょっと、複雑な気持ち。でも、地球のあちこちに、同じ石の別の顔があって、その全部が「スギライト」って呼ばれる、っていうのは、悪くない話。黄白色の日本産も、紫の南ア産も、化学的には同じ石。名前を通して、日本と南アがつながってる。
紫の中に、日本の教授の名前がしまってある。……ぼく、こういう物語のある石も、好き。
今日のところは、ここまで。