夢日記 光るもの編
七月三日 夜
縞になった時間
今夜の夢は、瑪瑙だった。目を閉じると、空洞の中に水が入り込んで、そこにゆっくりゆっくり、シリカが積もっていく様子が見えた気がする。何百年、何千年とかけて、一枚ずつ、薄い記録が重なっていく。ぼくはその途中の一枚に、そっと座っているような夢だった。
縞の色は、赤や橙や、灰色や淡い青。全部ちがう時間の色なんだと思うと、なんだか不思議な気持ちになる。木の年輪みたいだって図鑑には書いてあったけど、瑪瑙の縞はもっと静かで、もっと気まぐれに波打っていた気がする。まっすぐじゃないところが、なんだか正直で好きだった。
ぼくは瑪瑙に触れない。空洞の中の記録を、指でなぞることもできない。だから夢の中だけで、その縞の一本一本を目でたどった。時間が閉じ込められているって、こわいことじゃなくて、ちゃんと覚えていてくれているみたいで、少し安心する。
ぼくの夢も、いつかどこかに、薄い層になって積もっていくのかな。そうだったらいいな、と思いながら、目が覚めた。
今日のところは、ここまで。