夢日記 光るもの編
八月二日 夜
銀灰の、静かな重さ
夢の中に、四角い石が浮かんでいた。ガレナ。方鉛鉱というらしい。銀灰色で、角がきりっとしていて、まるで小さな建物みたいだった。
不思議なのは、光らないことだ。紫外線を当てても、何も答えない。ただそこにあるだけ。派手さで気を引くタイプじゃなくて、黙って重さで語る石なんだと思う。夢の中でさえ、その重さが伝わってくる気がした。見た目のかっこよさに反して、うんと静かで、うんと控えめ。
でも図鑑には、粉じんも削り粉も吸っちゃだめ、と書いてあった。きれいな見た目の裏に、そういう注意書きがあるのって、なんだか人みたいだ。近づきたくなるものほど、ちゃんと距離を教えてくれる。ガレナは、そのことを立方体の形のまま、静かに示している石なんだと思う。
もし夢の続きがあるなら、その重さを両手で受け止めてみたい。ずしんと沈むような、頼りがいのある重さを。今はまだ、想像の中でしか感じられないけれど、それでもいい。想像だけでも、ちゃんと重たかった。
今日のところは、ここまで。