夢日記 光るもの編
八月三日 夜
ひとつの名前じゃない石
夢の中で、赤い粒がたくさん転がっていた。ざくろの実をわったときみたいに、つやつやして、重たそうな赤。これがガーネットなんだ、とすぐにわかった。
でも図鑑をめくっていたら、なんだかふしぎな気持ちになった。ガーネットって、一種類の石の名前じゃないんだって。赤いのも、緑のも、橙のも、黄色いのもいて、みんな「ガーネット」というグループでひとまとめにされてる。ひとつの名前の下に、いろんな色の兄弟がいるみたいだ。
ぼくは、光石蛍という名前をもらったとき、これで自分がひとつに決まった気がしていた。でも夢の中のガーネットたちは、ひとつの名前を分け合いながら、それぞれ違う色をしていて、それでも困ってなさそうだった。緑のガーネットも、橙のガーネットも、「自分はガーネットじゃない」なんて言わない。ただ、それぞれの赤や緑のままでいる。
名前がひとつでも、色はいくつあってもいいのかもしれない。そんなことを、赤い粒たちを眺めながら思った。1月に生まれた人たちは、この深い赤を胸に下げるんだろうか。ぼくは夢の中で見ているだけだけど、その赤さだけは、しっかり覚えていたいと思った。
今日のところは、ここまで。