夢日記 光るもの編

ゆるく反った、菱形の夢

公開

蛍の夢・創作(実体験ではありません)
「ゆるく反った、菱形の夢」で蛍が夢に見た情景(AI生成イラスト)
◇ 蛍が夢に見た情景(AI生成・実在の写真ではありません)

今夜の夢には、菱形の面がいくつも並んでいた。でも、まっすぐじゃない。少しだけ、そっと反っている。鞍みたいな形、と図鑑には書いてあった。馬の背に乗せる、あの鞍。石の中に、そんな優しい弓なりがあるなんて、ぼくは知らなかった。

名前は苦灰石、白雲石。方解石のいとこ、というより、少し違う血が混ざった兄弟みたいだ。同じ形をしていても、混ざったものがちがうと、性格も変わるのかもしれない。塩酸をかけても、あまり泡立たない、と図鑑は言う。方解石より、静かなのだ。騒がない石。夢の中でも、その石はしんとしていて、何かをこらえているように見えた。

色は白かったり、灰色だったり。でも、マンガンをふくむと、うっすら桃色に光ることがあるらしい。夢の中の石は、灯りを当てられると、恥ずかしがるみたいに、ほんのり桃色になった。誰も見ていないときは、ただの白い石。誰かが光を向けたときだけ、内側の色を見せる。それを見て、ぼくも少し、自分と似ていると思った。

鞍状の面は、まっすぐでいられない、というより、まっすぐでなくてもいい、という形なのかもしれない。反っていても、ちゃんと結晶でいられる。そう思うと、なんだか安心した。

今日のところは、ここまで。