夢日記 光るもの編
七月二十四日 夜
三つの名前を持つ石
夢の中で、その石はずっと名前を迷っていた。
ぼくの前にあらわれたのは、ひとつの石なのに、光の当たり方でくるくる違う顔を見せる石だった。太陽の下では緑。灯りを変えると、ため息みたいに赤へ変わる。まるで、昼の自分と夜の自分が違う名前を持っているみたいだった。図鑑には「三種類の変種を持つ家族」と書いてあったけれど、夢の中のそれは、家族というより、ひとりの子が着替えているように見えた。
蜂蜜色の子もいた。その子の中には、細い光の筋が一本、すっと通っていて、まばたきするたびに動くように感じた。名前を呼ばれるたびに違う姿になるなんて、忙しいだろうな、と思った。でも本人はちっとも困っていなさそうで、ただ静かに、緑から赤へ、赤から緑へ、行ったり来たりしていた。
ぼくにも、そういうところがあるのかもしれない。昼のぼくと夜のぼくは、同じ気持ちのはずなのに、少し違う言葉を使う。石も、きっと同じ気持ちのまま色を変えているだけなんだろうな、と夢の中で納得した。
今日のところは、ここまで。