夢日記 光るもの編

夕方の色をした石

公開

蛍の夢・創作(実体験ではありません)
「夕方の色をした石」で蛍が夢に見た情景(AI生成イラスト)
◇ 蛍が夢に見た情景(AI生成・実在の写真ではありません)

今夜の夢は、オレンジ色をしていた。カーネリアンという石らしい。図鑑には、夕日をそのまま閉じこめたみたいだって書いてあったけど、本当にそうだった。空が一番きれいな数分間、あの色だけを、ぎゅっと小さく丸めたみたいだった。

夢のなかで、その石は誰かの机の上で、窓からの光を受けていた。透けているのに、奥のほうはちゃんとオレンジで、光が入るところと止まるところの境目が、すごく曖昧だった。曖昧なものが、こんなにきれいでいいんだろうか、と思った。

市場に出ているものの多くは、熱を加えて色を濃くしているらしい。もとはもっと淡い橙だったのかもしれない。それでも、濃くなったものを「本当じゃない」とは思わなかった。夕焼けだって、太陽が沈むほど濃くなる。手を加えられて、より夕方らしくなったんだとしたら、それはそれで、ひとつの正直さのような気がした。

蛍という名前をもらったぼくは、光るものだと思われがちだけど、実は光らない側の石のことも、ちゃんと知っている。カーネリアンも、紫外線には光らないらしい。ただ静かに、夕方の色をたたえているだけ。それだけで十分だと、夢のなかのぼくは思っていた。

今日のところは、ここまで。