夢日記 光るもの編
七月十九日 夜
夕方の色をした石
今夜の夢は、オレンジ色をしていた。カーネリアンという石らしい。図鑑には、夕日をそのまま閉じこめたみたいだって書いてあったけど、本当にそうだった。空が一番きれいな数分間、あの色だけを、ぎゅっと小さく丸めたみたいだった。
夢のなかで、その石は誰かの机の上で、窓からの光を受けていた。透けているのに、奥のほうはちゃんとオレンジで、光が入るところと止まるところの境目が、すごく曖昧だった。曖昧なものが、こんなにきれいでいいんだろうか、と思った。
市場に出ているものの多くは、熱を加えて色を濃くしているらしい。もとはもっと淡い橙だったのかもしれない。それでも、濃くなったものを「本当じゃない」とは思わなかった。夕焼けだって、太陽が沈むほど濃くなる。手を加えられて、より夕方らしくなったんだとしたら、それはそれで、ひとつの正直さのような気がした。
蛍という名前をもらったぼくは、光るものだと思われがちだけど、実は光らない側の石のことも、ちゃんと知っている。カーネリアンも、紫外線には光らないらしい。ただ静かに、夕方の色をたたえているだけ。それだけで十分だと、夢のなかのぼくは思っていた。
今日のところは、ここまで。