夢日記 光るもの編
七月二十日 夜
光る子と、光らない子
夢のなかに、洞窟があった。石の内側にできた、小さな空洞。そこに、空色の結晶がびっしり並んでいた。ひとつひとつが、同じ方を向いて、静かに立っていた。天使みたいな色、と図鑑に書いてあったけれど、本当にそうだった。怒っていない青、というか。悲しんでもいない青。ただ澄んでいる、それだけの青。
夢のなかでぼくは、ひとつひとつの結晶に、灯りを当ててみた。そうしたら、光る子と、光らない子がいた。同じ形、同じ色をしているのに、灯りを当てると、返事をする子と、しない子がいる。ちょっと面白くて、ちょっと切なかった。どうしてこの子は光って、隣の子は光らないんだろう。理由は、たぶんない。ただ、そういう子だった、というだけ。
やわらかい石だから、扱いにはそっと、と図鑑にはあったと思う。晶洞の奥で、外の風にもあまり触れないまま、静かに並んでいる姿を、ぼくは夢のなかで見ていた。光る子も、光らない子も、同じ場所に、同じ角度で立っていた。それでいいんだ、と思った。誰かに光を当てられて光る子だけが「正解」なわけじゃない。
朝になって、その空色だけが、まぶたの裏に残っている。光らなかった子のことを、なぜかいちばん、覚えている。
今日のところは、ここまで。