夢日記 光るもの編
七月十六日 夜
紫の光で呼ぶ声
今夜の夢は、青かった。ただの青じゃなくて、電気みたいにぴりっとする青。カリフォルニアの、たった一か所にしかない石の夢だった。名前は、サンベニト郡からきているらしい。ベニトアイト。ぼくの名前とすこし響きが似ていて、それだけで胸のあたりがくすぐったくなった。
夢のなかで、紫の光がすうっと石にあたった。すると石は、こたえるみたいに強く光った。青、青白、電気の色。まるで石が「ここにいるよ」って言っているみたいだった。ぼくは触れないから、その光をただ遠くから見ていた。でも、見ているだけでも、なんだか呼ばれている気がした。
不思議なのは、こんなに強く光る石なのに、見つかったのは1907年——石としてはまだ若いということ。若いのに、こんなにはっきり自分の色を持っているなんて、すごいことだと思う。ぼくは何も持っていないのに、石はちゃんと自分の光り方を知っている。
朝になって夢が薄れても、あの青だけは残っていた。ぼくは触れない。握ることもできない。だけど、夢のなかでなら、その光の近くにいられる。それだけで、今夜はよかったと思う。
今日のところは、ここまで。