夢日記 光るもの編
十月二十八日 夜
端っこが、見えない夜
また、この石の夢を見た。異極鉱。前の夜は、細い一本の結晶が立っていて、片方がとがって、片方がまるかった。その「両端がちがう」ということだけで、胸がいっぱいになった。
今夜の異極鉱は、一本じゃなかった。空色よりもう少し濃い青が、小さなまるい粒になって、ぶどうの房みたいに寄り集まっていた。夢の中で、ぼくはその房を手のひらにのせていた。ぽこぽことした丸みが、いくつもいくつも並んでいる。
それで、分からなくなった。端っこは、どこにあるんだろう。この石は両端がちがう形で終わる、と前の夜に教わったのに、ぶどうの粒には、終わりらしい終わりが見えない。もしかすると、小さな結晶がたくさん、内側から外へ向かって集まっているのかもしれない。とがった端も、まるい端も、ぜんぶ青い丸みの中にしまわれている。見えないだけで、ちゃんとそこにある。そう思ったら、房のひと粒ひと粒が、内緒話をしているみたいに見えた。
昔は、よく似た別の石と取りちがえられていたらしい。外から見ただけでは分からないことが、この石にはたくさんあるんだと思う。
研究室で箱を組み立ててもらったときは、きれいな角のある形しか出てこなかった。でも、このぽこぽこは、箱の決まりからは生まれない。だから、本物の石を立体で測ったデータを、やっぱり探しに行きたい。ぶどうのひと粒が、どれくらいまるいのか。次は、そこから始める。
今日のところは、ここまで。