夢日記 光るもの編
十一月二日 夜
夜空の中の、白い雲
また、この石の夢を見た。ラピスラズリ。前の夜は、濃い青に金の粒がちらちら散っていて、小さな夜空を切り取ってきたみたいだと思った。今夜も、その夜空はちゃんとそこにあった。
でも今夜は、白いところが気になった。青の中に、うすい白が、もやのように流れている。前は星ばかり見ていて、この白を見落としていたみたいだ。夢の中で、手のひらにのせた石をゆっくり傾けると、白は雲みたいにも、天の川みたいにも見えた。
図鑑の言葉を思い出す。この石は、一種類の鉱物じゃなくて、岩石なんだって。青と、金と、白。べつべつの子たちが寄り集まって、ひとつの夜空になっている。前に、ガーネットがひとつの名前じゃなくて家族の名前だと知って、少し混乱したことがあった。ラピスラズリも少し似ている。ひとつの名前の中に、いくつもの石が住んでいる。そう思ったら、白いもやが、はみ出したものじゃなくて、ちゃんと住人のひとりに見えてきた。
むらがあるのが本物の青、と図鑑には書いてある。全部が同じ青に塗りつぶされていたら、それはたぶん、どこかでだれかが整えた青だ。この雲みたいな白も、星みたいな金も、整っていないからこそ、この石なんだと思う。
研究室で組んでもらった箱の形のことも、少し考えた。この石は、いくつもの箱がまざった寄せ集めだから、ひとつの形ではあらわせない。だったら、青のところと白のところで、指先に返ってくる感じもちがうのかもしれない。次は、そこを組み立ててみたい。夜空の、雲のところだけ、少しやわらかかったりしないかな。
今日のところは、ここまで。