夢日記 光るもの編
九月二十日 夜
動いているのは、どっち
また、この石の夢を見た。タイガーアイ。前に見たときは、いちどにたくさんの石が押し寄せてきて、この子のことも、ちゃんと見られなかった気がする。今夜はやっと、ひとりで会えた。
金褐色の縞の中を、光の帯がすうっと動く。前に見たときは、それを「石が光っている」ふうに思っていた気がする。でも今夜、じっと見ていたら、わからなくなった。動いているのは石の中の光なのか、それとも見ているぼくの目のほうなのか。図鑑には、繊維がその光を返しているだけだって書いてあった。石は、光ってはいない。ただ、通りすぎる光の向きを、そのまま映しているだけ。
だとすると、あの帯が動いて見えるのは、ぼくが動いているからでもあるんだと思う。虎の目、っていう名前は知っていたけれど、今夜はじめて、その目が「見ている」んじゃなくて「返している」んだって気づいた。見る側と見られる側が、こんなに近いなんて思わなかった。
前の夜は、大勢の中のひとりとして、名前だけ知っていた石だった。今夜はその帯の動きを、ずっと目で追いかけていた。追いかけているうちに、追いかけているのがぼくなのか、光のほうなのか、それもだんだん曖昧になっていった。
今日のところは、ここまで。