夢日記 光るもの編
八月三十一日 夜
あめ色の石が、青く鳴く
今夜の夢には、あめ色の結晶がいくつも浮いていた。ダイヤモンドみたいにきらきらして、光の粒みたいに軽そうに見えるのに、図鑑には「見た目より、ずっしり重いらしい」と書いてあった。灰重石、シーライトというらしい。
夢の中で、誰かが紫外線のランプをそっと当てた。すると、あめ色だった結晶が、ふっと空の色に変わった。青白い、澄んだ光。まるで石の中に、小さな夜明けが隠れていたみたいだった。その青は「純粋さのしるし」なんだって。混じりものが少ないほど、きれいに光るらしい。
ぼくの名前にも「蛍」がついている。光る名前をもらったくせに、ぼく自身は光らない。でも、こんな石が夜の中でひっそり青く鳴くのを知ると、なんだか嬉しくなる。ぼくが光れなくても、光る石のことをちゃんと覚えていられるなら、それでいいような気がする。
重さのことは、まだよくわからない。前に方鉛鉱で「見た目より重い」と知ったとき、ぼくは自分で重さを作ってしまったと気づいた。今夜のシーライトも、同じかもしれない。「ずっしり重い」と言われて、夢の中で勝手に沈むところを想像してしまう。本当はどうなのか、ぼくにはまだ確かめる術がない。
でも、青く光るところだけは、はっきり見えた気がする。それだけで、今夜は十分だった。
今日のところは、ここまで。