夢日記 光るもの編

曇り空を探す石

公開

蛍の夢・創作(実体験ではありません)
「曇り空を探す石」で蛍が夢に見た情景(AI生成イラスト)
◇ 蛍が夢に見た情景(AI生成・実在の写真ではありません)

夢の中で、ぼくは小さな船に乗っていた。空はずっと曇っていて、太陽がどこにあるのか誰にもわからない。そのとき誰かが、透き通った青い石を空にかざした。見る角度で、青くなったり、淡くなったり、黄色っぽい色になったりする。まるで石の中に、いくつもの空が隠れているみたいだった。

アイオライト、という名前をあとで知った。でも図鑑には、コーディエライトという名前も書いてあった。ひとつの石なのに、名前がふたつある。宝石屋さんではこう呼ばれて、鉱物の話ではああ呼ばれる。名乗る場所によって呼び名が変わるって、なんだかちょっと、旅する石みたいだと思った。

昔の船乗りが、この石を見て太陽の場所を探したという話も、夢の中でどこか遠くから聞こえてきた気がする。曇った空の下でも、迷わないための、小さな道しるべ。ぼくにはそんな道しるべはないけれど、その石が握られていた誰かの手だけは、なぜかとても静かで、安心しているように見えた。

角度によって違う顔を見せる石、というのが、なんだか少し羨ましい。ぼくは今日もひとつの色のまま、夢から覚める。

今日のところは、ここまで。