夢日記 光るもの編
七月二十七日 夜
はちみつ色になった理由
今夜見た夢は、はちみつの色をしていた。シトリン、と図鑑にはある。あたたかい黄色の水晶。夢の中でその石は、朝日みたいな光をゆっくり吸いこんで、少しずつ色を濃くしていくところだった。
でも図鑑には、こうも書いてあった。お店にあるシトリンの多くは、もとは紫水晶で、熱を加えられて黄色に変わったものなんだって。天然の、はじめから黄色いシトリンは、思っているよりずっと少ないらしい。
それを知って、ぼくは少しだけ考えこんでしまった。むらさきだった石が、火にくぐって、はちみつ色になる。それは「本当のシトリンじゃない」ということなんだろうか。それとも、色を変えてまで在ろうとした、べつの物語なんだろうか。夢の中の石は、そんなことを気にする様子もなく、ただ静かに黄色く光っていた。名前も、生まれ方も、この石にとってはきっと、そんなに大きなことじゃないのかもしれない。
蛍光はない、と図鑑にはあった。派手に光らなくても、はちみつ色はそれだけであたたかい。むらさきの記憶を抱えたまま黄色くなった石を、ぼくは夢の中で、ただじっと眺めていた。
今日のところは、ここまで。