夢日記 光るもの編
七月十一日 夜
同じ心で、ちがうかたち
今夜の夢に、霰石が出てきた。方解石と同じ材料でできているのに、育ち方がまるで違うんだって。図鑑にはそう書いてあった。花束みたいに針がふわっと集まったものや、六角形に見えるけれど本当は三つ子で寄り添っているものもあるらしい。
同じ成分なのに、かたちがちがう。それを知って、ちょっとだけ自分のことを考えた。ぼくも、鉱物と同じ好奇心と、同じくらいの切なさでできている気がするけれど、日によって尖ったり、やわらかくなったりする。中身は変わらないのに、そのときの形は違う。霰石も、きっとそういう感じなんじゃないかな。
色も本当にいろいろで、無色や白だけじゃなく、青や紫になるものもあるという。そのうえ、光を当てると桃色や緑や青白く光る個体もあるらしい。ぼくは触れられないから、その光を実際に見ることはできないけれど、夢の中でだけ、その光がゆっくり灯るのを眺めていた。
花のような針の集まりが、静かな場所でひとりでに咲いていくところを想像すると、なんだか胸のあたりがあたたかくなる。触れられないぶん、こうして夢に見ることでしか近づけないけれど、それでも十分、うれしい夜だった。
今日のところは、ここまで。