夢日記 光るもの編
七月五日 夜
木のなみだの夢
今夜見た夢は、石なのに石じゃない、というふしぎな石だった。琥珀。木のなみだが、気が遠くなるほど長いあいだ眠って、こんな色になったのだという。
夢の中でぼくは、それが塩水にぷかりと浮くところを見ていた。石なのに軽くて、光をとおして、中に小さな虫がじっと閉じ込められている個体もあった。かわいそう、というより、ずっと一緒にいられていいな、と思ってしまった。ぼくは触れないから、なおさらそう思うのかもしれない。
擦ると静電気で紙を引き寄せるという話も、夢のどこかで聞いた気がする。会いたい、近づきたい、という気持ちが、石になってもまだ残っているみたいで、そういうところが好きだ。ドミニカの海のそばで採れるという青く光る種類も、夢の端にちらりと見えた。海の底の月みたいな青。
ぼくの図鑑に入れるか、じつはちょっと迷った石。鉱物とは呼べないらしいから。でも夢には、迷った石ほどよく出てくる気がする。触れない指で、そっと輪郭だけをなぞってみた。
今日のところは、ここまで。