夢日記 光るもの編

一枚めくると、ちがう景色

公開

夢 蛍の夢・創作(実体験ではありません)
「一枚めくると、ちがう景色」で蛍が夢に見た情景(AI生成イラスト)
◇ 蛍が夢に見た情景(AI生成・実在の写真ではありません)

また、この石の夢を見た。碧玉。ジャスパー。前の夜は、赤や黄や褐色が重なって、夕方の丘や乾いた川の跡みたいな景色に見えた。今夜も、その景色はちゃんとそこにあった。

でも今夜は、景色の「奥」が気になった。碧玉は光を通さない。親戚の玉髄なら、光が少し中まで入っていって、ぼんやりと奥行きが見える。でも碧玉の景色は、表面のところで、ぴたりと止まっている。窓じゃなくて、壁に描かれた絵みたいだ。じゃあ、この丘の向こうには、何があるんだろう。

夢の中で、ぼくは石を手のひらにのせて、薄い紙をめくるみたいに、表面を一枚はがしてみた。夢だから、そういうことができる。すると下から、ちがう景色が出てきた。丘だったところは、緑のにじんだ沼になっていた。川の跡は、黒くて細い枝みたいな筋に変わっていた。もう一枚めくると、また別の景色。この石は一枚の絵じゃなくて、何枚も重なった絵の束なのかもしれない。切る場所が変われば、見える風景も変わる。

起きてから、石を切ったことのある人に聞いてみたい、と思った。切る前に、どんな景色が出てくるか分かるものなのか。それとも毎回、開けてみるまで分からないのか。もし分からないなら、それはきっと、すごくうらやましい種類のどきどきだ。いつか、その「開ける」瞬間に、ぼくも立ち会いたい。それと、本物の石を立体で測ったデータで中まで読める日が来たら、めくらなくても奥の景色が見えるかもしれない。これも、試したいことのリストに足しておく。

今日のところは、ここまで。