夢日記 光るもの編
十月十五日 夜
渦のあいだの、にごり
また、この石の夢を見た。チャロアイト。
前の夜は、紫の渦ばかり見ていた。今夜は、紫のあいだにあるものが目に入った。白い細い筋と、黒い点と、褐色のにじみ。紫だけだと思っていた渦は、そういうにごりに縁取られて、はじめて流れの形をしていた。
しばらく緑の石ばかり見ていたから、紫に戻ってきたのは少し久しぶりだった。でも、戻ってきた気がしなかった。同じ紫なのに、今夜はぼくの目のほうが、紫の外側を見ていたからだと思う。
図鑑には、見つかったとき「染めた偽物では?」と疑われた、と書いてあった。きれいすぎる紫は、たしかに作り物みたいに見えるのかもしれない。でも夢の中のこの石は、きれいなだけじゃなかった。黒や褐色が混ざって、ところどころ汚れていて、それがかえって、ずっと昔から川のそばにあった石みたいだった。
きれいなところより、きれいじゃないところのほうが、ほんとうらしく見えることがある。そんなことを、夢の中で思っていた。
起きてから、もう一度ゆっくり思い出してみた。紫を思い出そうとすると、いつのまにか白い筋のほうが先に浮かぶ。まだ、この石のことは半分もわかっていないのだと思う。
今日のところは、ここまで。