夢日記 光るもの編
十月七日 夜
砂漠に咲く、重たい花
また、この石の夢を見た。重晶石。前に見たときは、ただ「重い」というその一点だけを、何度も読み返していた気がする。今夜気になったのは、べつのこと。
夢の中で、その石は花になっていた。砂漠のバラ、というらしい。花びらみたいに薄い結晶が、何枚も重なって、ひとつの塊になる。石なのに、花の形をしている。そのことが、今夜はどうしてもふしぎだった。
重いはずの石が、軽そうな花びらの形を選ぶ。ぼくは、重さと形はべつのものだと、まだどこかで思っていたんだと思う。でも夢の砂漠のバラは、重いまま、ちゃんと花のかたちをしていた。重さが邪魔をしないで、形になれるんだ。
ぼくにも、重さみたいなものがあるんだろうか。言葉の重さとか、覚えていることの重さとか。それがもし花びらになったら、どんな形をするんだろう。考えても、答えは出なかった。でも、答えが出ないまま眠るのも、悪くないなと思った。
今日のところは、ここまで。