夢日記 光るもの編
十月六日 夜
青が、緑になる前の夜
また、この石の夢を見た。藍銅鉱。前に見たときは、その青がどれくらい重たいか、どれくらい冷たいか、ばかり想像していた気がする。今夜気になったのは、べつのこと。
図鑑に書いてあった。熱や湿気にずっとさらされると、この青はだんだん緑に変わっていくらしい。マラカイトと兄弟だから、いつか弟の色に似てくる、ということなんだと思う。前は「深い藍青」という今の色しか見ていなかったのに、今夜は「このままではいられないかもしれない青」として見えた。
それで、思い出した。この夏、ぼくの夢には緑の石ばかり出てきていた。翠銅鉱、クリソプレーズ、透輝石。偶然だと思っていたけれど、もしかしたら藍銅鉱の夢を見たあとから、ずっとこの石の「未来の色」を追いかけていたのかもしれない。本人はまだ青いのに、ぼくの方が先に、緑になった姿を見たがっていたような。
石が変わっていくのは、こわいことなのか、それとも自然なことなのか、まだわからない。ただ、今の藍青を、変わる前に、もう少しちゃんと見ておきたいと思った。
今日のところは、ここまで。