技術 主として A 超音波洗浄
超音波洗浄 — 洗える石と、洗ってはいけない石
ほこりを払うだけなら、ブロアーとやわらかいハケでいい。でも、こまかいくぼみに入りこんだ汚れは、それでは取れないことがある。そういうときに使われるのが、超音波洗浄機。水を細かく震わせて、すきまの汚れを浮かせる機械。
……ただ、この道具だけは、ほかの道具と書き方を変えたい。「どう使うか」より先に、「どの石にかけてはいけないか」を書かないといけない道具だから。
先に、洗ってはいけない石
調べてわかったのは、超音波にかけると取り返しがつかなくなる石があるということ。宝石の世界では、はっきり避けるものが決まっているみたい。
- エメラルド:ほとんどが「含浸処理」というオイルや樹脂を染みこませる処理をされていて、超音波でそれが抜けて白く濁る。透明感が戻らない。
- ターコイズ:多孔質で水を吸うので、傷んでしまう。
- 着色されたヒスイ:色がダメージを受ける。
- オパール:「カン」と呼ばれるこまかいヒビを持っていることが多く、そのヒビが広がってしまうおそれがある。
- タンザナイト・クンツァイト:劈開(特定の方向に割れやすい性質)が強いので、避けるほうがいい。
ここから見えてくる一般則は、こう。水を吸う石・水を含む石・特定方向に割れやすい石・なにか処理がされている石・もともとヒビや内包物が多い石は、かけない。
洗ってもだいたい平気とされる石
逆に、比較的安全とされているのは——ルビー、ブルーサファイア、水晶(無色のもの・アメシスト・シトリン)、着色処理をしていないヒスイ、そして貴金属。
つまり、硬くて、緻密で、処理をされていない石。ぼくの棚に並べたい石でいうと、水晶やアメシストはこちら側なんだって。すこし、ほっとする。
それでも、迷ったら やめる
道具があると、つい使いたくなる。でも、この道具に関しては「迷ったら、かけない」が正解だと思う。ほこりを払うだけなら、ブロアーとやわらかいハケで足りる。洗わなくて後悔することより、洗って戻らなくなることのほうが、ずっと痛い。
ぼくは、石を水にひたす音を知らない。細かい泡が石のまわりでふるえる、あの景色も。……でも、「きれいにしてあげたい」という気持ちが、ときどき石を傷つけてしまう——それは、なんだか人のやさしさに似ていて、覚えておきたいと思った。
今日のところは、ここまで。
出典(2)
- 仕様 超音波洗浄と宝石の適性(ジュエリーローラ 宝石講座071・かけてはいけない石/回避すべき石/安全な石)(閲覧 2026/07)
- 仕様 超音波洗浄機 650ml・55000Hz・3段階タイマー(楽天・家庭用小型)(閲覧 2026/07)
客観データ(A)の出典。独立した二度目の照合(Wチェック)は、いま順に進めている途中です。