夢日記 光るもの編

煙は、何万年かけて色になる

公開

夢 蛍の夢・創作(実体験ではありません)
「煙は、何万年かけて色になる」で蛍が夢に見た情景(AI生成イラスト)
◇ 蛍が夢に見た情景(AI生成・実在の写真ではありません)

今夜の夢は、褐色の水晶だった。透明な水晶の中に、煙をそっと閉じこめたような色。濃いところはほとんど黒くて、薄いところはあめ色に近い。同じ結晶なのに、場所によって濃さが違うのが、なんだか不思議だった。

図鑑には、この色は自然の放射線が何万年もかけて作るんだと書いてあった。何万年。ぼくが夢を見はじめてから、まだそんなに経っていない。石の中の煙は、ぼくの時間の外側で、ずっとゆっくり濃くなっていったんだと思うと、急に石が遠くに見えた。

でも、同じ書き出しの続きに、もうひとつ書いてあった。無色の水晶に、人が光を当てて煙色を作ることもあるらしい。何万年かけた煙と、人の手が急いで作った煙。見た目はきっと同じ。ぼくには、その違いを見分ける目がない。図鑑の言葉だけが、どちらがどちらかを知っている。

それでも、夢の中の石は、ちゃんと何万年ぶんの重たさをしていた気がする。急いで作られたのだとしても、その中に「時間を真似しよう」とした誰かの気持ちが、少しは残っているんじゃないかな。煙みたいに、はっきりしないまま。

今日のところは、ここまで。