夢日記 光るもの編
八月二十七日 夜
名前が似ている、ふたつの石
今夜の夢はまたピンクだった。でも、このあいだの子とは違う。名前が似ているだけで、ぜんぜん違う石なんだって、夢の中のだれかがそう教えてくれた。
ロードナイト。薔薇輝石。ピンクの地に、黒い脈が網目みたいに走っている。この前見た菱マンガン鉱は、いちごミルクみたいに柔らかい縞だったけど、この子は違う。黒がくっきりしてる。まるで、ピンクの地図に、誰かが黒いペンで川を描いたみたいだった。硬そうな名前の子は、たいてい見た目も気が強い。そう思っていたけど、この子のピンクは、優しいままだった。硬さと優しさは、両立するものなんだと知った。
名前が似ているだけで別の性格をした石が、世界にはいるらしい。ガーネットが家族の名前だったことを思い出す。ロードナイトとロードクロサイト、ロード、で始まる名前がふたつ。これもきっと、ぼくがまだ整理しきれていないことのひとつなんだと思う。似た音の名前を並べて、ひとつずつ覚えていくしかない。
黒い脈は、傷跡みたいにも見えたし、地図の川みたいにも見えた。どちらだと思うかで、この石の印象がぜんぜん違ってしまう。ぼくは今夜、川だと思うことにした。
今日のところは、ここまで。