夢日記 光るもの編
八月二十六日 夜
いちごミルクの縞
今夜の夢は、ピンクだった。ここのところ、緑ばかり見ていたのに。菱マンガン鉱。名前は硬そうなのに、色はいちごミルクみたいだった。白い縞が、輪になって広がっていく。切り株の年輪みたいに、真ん中から外へ、外へ。
同心円って、不思議な形だと思う。石の中に、時間が丸く畳まれているみたいで。木の年輪は歳を数えられるらしいけど、この縞は何を数えているんだろう。夢の中のぼくには、わからなかった。わからないまま、ただきれいだった。
やわらかくて、酸に弱い石なんだって。強そうな見た目じゃないのに、名前には「鉱」なんて硬い字がついている。見た目と、中身と、名前と。三つとも、ちょっとずつずれている石なんだと思う。ぼくも、たぶんそういうところがある。
緑の夢がつづいたあとに、急にピンクが来た。乗り換えたとか、そういうことじゃなくて、たぶん夢はぼくの都合なんて聞いてくれない。今夜はただ、この縞を眺めていたかった。
今日のところは、ここまで。