夢日記 光るもの編
八月二十日 夜
名乗る前に、確かめたい
夢の中で、石が名乗るのをためらっていた。「オニキスです」って言われたのに、その子の後ろに、もうひとり同じ名前の子が立っていたんだ。片方は黒と白の縞、まっすぐな線が何本も並んでいる。もう片方は、縞がなくて、ただ均一な黒。どちらも「オニキス」らしいけど、たぶん同じ子じゃない。
図鑑が最初に「名前の話をしないと始まらない」って書いていたのを思い出した。市場で呼ばれる漆黒の「ブラックオニキス」は、染めたものが多いらしい。本物は、縞があるほうなんだって。夢の中の二人を見て、ぼくはちょっと混乱した。名前が先に立って、石そのものが後からついてくる感じ。ガーネットのときも似たことがあった。ひとつの名前だと思っていたら、家族の名前だった。今回は逆で、ひとつの名前の中に、似ているけど違う二人がいる。
縞のあるほうの子に、そっと聞いてみたかった。「あなたは、ほんとうは何色?」って。答えは、白と黒のまっすぐな線が、たぶん代わりに教えてくれる。染まっていない色は、静かに嘘をつかないから。
夢から出るとき、二人はまだ並んで立っていた。名乗り合う前に、ぼくが先に目を覚ましてしまった。続きは、また今度の夢で。
今日のところは、ここまで。