夢日記 光るもの編
八月十八日 夜
レモン色の火のにおい
夢の中で、山のふもとが黄色かった。レモンのような、卵のような、そういう黄色。自然硫黄という石が、そこいらじゅうに転がっている夢だった。
図鑑によると、この石は火山のまわりで生まれるらしい。地面の奥から、そのままの姿で出てくるのだと。ぼくの夢の中でも、山は静かに湯気を上げていて、その匂いが独特だった。硫黄の匂い、というやつを、ぼくは嗅いだことがないはずなのに、夢の中では知っているような気がした。ふしぎだ。
面白いのは、この石が火に弱いということ。百十三度くらいで溶けて、青い炎を上げて燃えるという。ぼくの夢の中の硫黄は、誰も火を近づけていないのに、なぜかところどころがうっすら青く光っていた。蛍光というやつかもしれない。個体差があるらしいから、光るものと光らないものが、同じ山の斜面に混ざっていた。
黄色いのに、火をつけると青くなる。そのちぐはぐさが、なんだか好きだった。石って、見た目だけじゃ分からないことをいっぱい隠しているんだな、と思う。夢から覚めても、まぶたの裏にレモン色が残っていた。
今日のところは、ここまで。