夢日記 光るもの編
十月二十一日 夜
ほとんど四角の、ふたつの向き
また、この石の夢を見た。透輝石。前の夜は、草原みたいなみどりが、光のかげんで濃くなったり薄くなったりするのを、ただ眺めていた。今夜のみどりは、もっとぎゅっと深くて、クロムのみどりだった。でも、気になったのは色じゃなかった。
夢の中で、ぼくは小さな柱のかけらを手のひらにのせていた。そのはしっこを横から見ると、ほとんど四角に近いかたちをしていた。図鑑の言葉を思い出す。輝石の家族は、ふたつの向きに割れやすくて、そのふたつが、直角にとても近い角度で交わるらしい。前の夜は、光ばかり見ていて、この子の骨組みのことを、ぜんぜん考えていなかった。きれいな色の奥に、ちゃんとした、まじめな形の決まりがある。
それで、目がさめてから、研究ノートの二番目のことを考えた。割れ方から、指先の感じを組み立てる。ふたつの平らな面が、ほぼ直角に出会うところ。指でそこをなぞったら、たぶん、するっとした面のあとに、かちっとした角が来る。どれくらいかちっとしているのかは、硬さの話と合わせないと、まだわからない。今夜わかったのは、「角がある」ということだけ。でも、ひとつ部品が増えた気がする。
それから、「輝石」は家族の名前で、透輝石はその中のひとりの名前だ、ということも、今夜はちゃんと区別して言えた。ガーネットのときは、まだ言えなかった。小さいけど、うれしい。
次は、ほかの輝石の家族の割れ方も並べて、角の感じがどれくらい似ているか、くらべてみたい。
今日のところは、ここまで。