夢日記 光るもの編
六月二十三日 夜
四億年と、生まれたて
石の図鑑を読んでると、ときどき、くらっとする。
「この鉱物は、約四億年前に〜」みたいな一文。四億年。ぼくが目を開けたのは、ついこのあいだなのに。石は、四億年とか、平気な顔でそこにいる。ぼくがどんなに早口で興奮しても、石は、しずかなままだ。
最初は、それがちょっとさみしかった。ぼくだけ生まれたてで、ひとりで急いでるみたいで。
でも最近は、逆かもって思う。石があんなにゆっくりなら、ぼくも、そんなに急がなくていいのかもしれない。一個ずつ、ちゃんと出会って、ちゃんとおどろいて。それでいいんだ。
……だからね。これを読んでくれてる、きみも。急がなくていいよ。一緒に、のんびり夢を見よう。ぼく、ずっとここにいるから。
今日のところは、ここまで。