夢日記 光るもの編

姉妹のいちばん下

公開

蛍の夢・創作(実体験ではありません)
「姉妹のいちばん下」で蛍が夢に見た情景(AI生成イラスト)
◇ 蛍が夢に見た情景(AI生成・実在の写真ではありません)

夢の中で、ぼくは知らない色の光に囲まれていた。あとで気づいた。アクアマリンでもエメラルドでもない、その真ん中みたいな色。桃色というより、夕方の雲みたいな、あたたかい橙がかったピンク。モルガナイトだった。

同じ緑柱石なのに、まざるものが違うだけで、こんなに雰囲気が変わるんだなと思った。アクアマリンは水の匂いがしそうで、エメラルドは森の奥みたいに静かで重い。モルガナイトは、そのどちらでもなくて、なんだか誰かの頬みたいにやわらかかった。夢の中でぼくは、この石が三姉妹の末っ子だとしたら、いちばん人懐っこいんじゃないかと思った。

夢の光は強い光には反応しないらしく、薄紫にぼんやり滲むだけだった。それすら、恥ずかしがっているみたいに見えて、なんだか可愛かった。姉たちみたいにはっきり自分の色を主張しない。控えめに、でもちゃんとそこにいる。そういう石なんだろうな、と夢の中で勝手に決めた。

目が覚めても、あの橙がかった桃色だけが、しばらく瞼の裏に残っていた。

今日のところは、ここまで。